DIGIT通信journal

DiGiT通信Vol.67 「第5回 これからの人材評価と人材確保のあり方、後半(先見経済より)」

2020.02.19

先見経済からの転載10回目です。

 

優秀な人材の定義について、実際のケースで見ていきましょう。

【ケース1】
顧問先:いい人材が来るように人事制度を設計して欲しい
私:ではいい人材とはどんな人材ですか?
顧問先:自分が評価できる人材だ
私:では評価基準を教えてください
顧問先:それを作るのがあなたの仕事だ
私:評価に対するお考えを知りたいです
顧問先:‥‥‥‥。

【ケース2】
顧問先:従業員に期待する「指針」を作りました(と、胸を張って)
私:(起案された内容を読んで)とても興味深いですが、あまりに広すぎませんか?これをすべて満たせと期待されていますか?
顧問先:雇っているのだから当然です
私:すべて満たせる人はいないと思います
顧問先:これらの期待を満たし、安い給与で働いてくれる人が、よい人材です
私:‥‥‥‥。

ケース1では、明確な評価基準が示せず、その根本となる考え方も打ち出せていません。人事評価は「鉛筆をなめている」ことが容易に想像できます。こんな例は極端かもしれませんが、経営者の気分で評価や配置を決められたのでは、出せる能力も出せなくなってしまいます。例えると、目的地が無い状態で全力疾走することだけが求められているようなものです。

ケース2では、現在就業している従業員の現状や組織の実態も知らずに、理想論ばかりが先行しています。マネジメントの基本である現状を知ることが、なぜか人材については希薄です。理想を語ることは重要ですが、乖離しすぎると運用ができず、相互にフラストレーションが溜まります。これは言い換えると、外装は立派でも内装とエンジンが見合っていないようなものです。

優秀な人材の定義は、会社によって異なるはず。その違いが具体的な言葉として発信できないのが実情です。また、現在の会社がそれを満たしているのかどうか、満たせるのかどうか、実態を調べることに臆病になっている経営者を多く見かけます。アメリカで「従業員満足度調査」が流行った時期がありました。その時代はいずれも人材獲得に企業がしのぎを削っていた時期でした。かつ、その動きは止まることなく、アメリカでは上場企業90%以上が何がしかの従業員サーベイを行っているという報告もあります。また、人材の現状を分析する「ピープル・アナリティクス」については、アメリカ企業の約90%が専門分析組織を設置しているという報告もあります(日本は約30%)。

調査・分析の不在は、経営者の自信の無さに関連するかもしれません。

ユーチューバーの年収
自分を1人でプロデュースし、世界デビューさせられるユーチューブ。こんなふざけた仕組みと職業をさげすんだ人も多いと思います。でも、トップユーチューバーは、新興企業の売上高を軽く超える収入があります。これは社会が認めた「人材」「タレント」なのではないでしょうか。

社会的な認知を経済システムの進化と捉えるか、一時のブームとして考えるか。少なくとも世界潮流は前者になっています。そこには人材発掘という仕組みがあったのと、そこに流れてしまう人材がいることを忘れてはならないと思います。

偶然にも海外に出向く機会があり、人材に対する考え方を見聞きしたことで、今月の記事の視点が動いてしまいました。ただ、これからの人材獲得と人材評価という点では、プラスの情報収集ができたと思っています。彼らは人材のことをHuman Capital、人的資本と呼んでいました。Human Resource、人的資源と呼ぶのがこれまででしたが、資源から資本に言葉が変化していました。小さな変化ですが、大きな意味があると実感して帰国しました。

日本らしさを発揮するために、海外のみならず新しい考え方を導入する。明治以降、日本人が取り組んできたこのテーマを改めて直視すべき時代であると考えます。

執筆者:三浦才幸

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