DIGIT通信journal

DiGiT通信Vol.64 「第4回 これからの人事のあり方と持つべき視点、前半(先見経済より)」

2020.01.29

第64回「第4回 これからの人事のあり方と持つべき視点、前半(先見経済より)」

先見経済からの転載7回目です。

1.客観性の確保
人事部門として持つべき視点としてまず挙げられるのは、「客観性の確保」でしょう。マネジメント部門の業務全般に言えることですが、「人」を扱う人事部門は、経理や会計、生産管理といった部門に見られるような、数的指標が把握しにくいという特徴があります。各社なりに数的指標を編み出して、何とか客観化を図ろうとしていますが、例えば経理のように「売上高経常利益率」というような、例え会社が違っても共通して測れるような数的指標はなかなか導入できません。

最近のトレンドワードとして「働き方改革」という言葉を耳にします。残念ながら労働時間ばかりに注目が集まり、肝心の労働生産性や「人」に関わる数値指標が聞こえてくることはあまりありません。「時間外労働が減ったから生産性は上がっている」というコメントを、ある企業のトップが発していました。ここに日本の「失われた20年(30年)」の本質があるといっても過言ではありません。生産管理においてあれだけ細かく管理してきた日本企業が、人事のことになると(特に間接部門)かくも寛容でぬるくなってしまうのか。。。そもそも時間外労働がある前提で仕事の計画を組んでいるから気付けないか。時間労働(言い方を変えれば時給仕事)で長く働く方が収入も増えるからなど、、、こんな考え方に、上も下も毒されているのが現状ではないでしょうか。そもそもの評価基準がこの状態では、評価の要ともいうべき客観性は、その確保を期待できるわけがありません。

先日、日本経済新聞出版社から出版された「タニタ流働き方革命」という本に、同社の組織分析のサマリーを寄稿させていただきました。この会社では、正社員雇用を見直して、希望する社員を個人事業主として業務委託契約を結んでいます。まさに時間にとらわれない働き方と言えます。しかしこの制度の導入には多くの課題があったと聞きました。その課題を一つ一つ対策し、構想から2年ほどかけ、弁護士や税理士などの専門家の意見を取り入れて、この制度の実施に踏み切ったとのことです。税務や労働関連法制といった課題もさることながら、時間数で業務を評価できないという点の対策に最も多くの検討を費やしたとのことです。あくまでも自主的に希望する社員が、個人事業主となって働くことについて、法律への準拠や社会的な信用(住宅ローンの審査が通りにくい等)も含めて、それだけ多くの課題があったこと(タニタ社は丁寧に対策を講じられたと聞いています。自分が驚いたのは、社会で働く人の大多数が時間労働を前提にしていたことと、雇用契約を業務委託に切り替えることに、それだけ多くの手続きが必要だという事実です)などがこの本で語られています。

確かに「時間」には客観性があります。全ての人に共通もしています。が、今の日本企業の多くは、その成果を時間だけに依存しているのではないでしょうか。例えばアルバイトが、一生懸命に成果を出しても、時給が10円上がる程度。限られた時間で何をしたか、その視点が欠けている会社や管理職を多く目にするのは自分だけでしょうか?同じ量と質の仕事を30分で済ませた人と、1時間かけた人で、1時間かけた人に多くの対価が支払われることに、これまでも多くの矛盾が提起されてきました。ここに「客観性」は存在していません。成果給と称しながら、時間給になっている実態に向き合う時期に来ています(表は各国の年間総労働時間と1人当たりGDPのランキングを1995年と2015年で比較したもの。オランダの生産性は、突出しています。日本はイタリアとほぼ同程度です)。

次号に続く

執筆者:三浦才幸

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